真岡SLの感想 [鉄道・旅行]
4日、家族4人で真岡鉄道のSLに乗りに行った。ついに、私の趣味に家族がつきあうことになったのだ。
真岡駅に停車中のC12。ホームは人であふれていた
ことの顛末は、『特急田中3号』にある。先週の放送で、田中君が「つくばエクスプレス」に乗っているのを妻が見て、「乗ってみたい」といったのである。
すかさず私が、「だったら、連休中に行こうか。ついでに、真岡のSLにも乗りに行こう」と、全然ついでではないところを強弁して、そういうことにしたのだ。
このとき、私の頭の中には、
秋葉原→守谷→下館→茂木→下館→守谷→秋葉原
というルートが浮かんでいた。下館から、JRで帰ってくるのもありなのだが、すると運賃が少し高くなるので、やめておいた。
で、まずSLの券を買いに行った。真岡鉄道のHPによると、SLに乗るには整理券が必要で、みどりの窓口で売られているという。そこで、1日に東中野の安藤歯科クリニックへ行く前に、みどりの窓口に寄った。
思えばこのときから、ケチがつき始めていたのかもしれない。みどりの窓口には、前に2人の女性が並んでいたが、2人とも窓口でなんだかもめていた。とくに最前列の女性は、変わった経路で切符を買っているようで、窓口の職員(この人も使えない感じ)と15分くらいやり合っていたのだ。
2人目の女性も、「指定券の申込用紙」に記入せず、窓口の職員に調べさせていた。私は、自分で調べてから窓口に並ぶべきだと思っているのだが、こんなものだろうか。その人が手間を惜しんだ分、待たされる人がいるのだ。
私の番が来たとき、すでに歯医者の予約時間の5分前になっていた。その職員は、真岡鉄道のSL整理券の発行方法を知らないらしい。「時間がかかるようなら、あとで来ますよ。もう20分待ったけど」とイライラしながらいうと、若い職員が手伝ってくれた。オヤジのほうの職員に、「自由席しかありませんよ」といわれたが、もともと自由席しかないのだ。まあ、歯医者には1~2分遅れで着くことができたので、なんとかなった。
当日は、朝、ゆっくりめに家を出て、駅の近くのコンビニでおにぎりを買って、秋葉原へ向かった。
食糧の確保は大事である。今回の行程には、お昼を食べる時間がないのだ。
秋葉原では、つくばエクスプレスと関東鉄道の往復乗車券を購入した。秋葉原から下館の往復料金が、1000円安いのだ。
大人3080円。長女は大人料金だから、4人でけっこうな額になる。
予定では、秋葉原1100発の電車に乗る予定だったが、1本前の1045発の区間快速に乗ることができた。
秋葉原に入線する区間快速。つくばエクスプレスは、ホーム柵があるので写真が撮りにくい
つくばエクスプレスは、3〜4号車にだけクロスシートがある。4人で座れるよう、4号車に並び、ワンボックスを確保した。
ひじかけにテーブルが収納されていたので、使ってみた
「エクスプレス」というだけあって、加速がいい電車である。快適に飛ばし、守谷には40分足らずで到着。
守谷駅は、近代的な橋上駅舎であった。関東鉄道の改札は自動改札が設置されていたが、往復乗車券は使えないということで、駅員のいる通路を通って入場。
階段を降りると、1両編成のディーゼルカーが止まっていた。
けっこうきれいなワンマンカー
まだ誰も乗っていなかったので、一番前側の座席に座る。が、座ったままだと前面眺望はあまりよくない。発車時刻の1138が近づくにつれて混んできたので、一番後ろの窓際に立って後面眺望(?)を楽しむことにした。
小5の長男もいっしょに立った。「鉄の素質があるか?」と思ったら、すぐにあきてしまった
関東鉄道は、取手から水海道までは、めずらしい複線非電化
直線区間の多い線路を、けっこう軽快に飛ばしていた。水海道から先は単線になり、ちょっと不便な感じ。本数も激減する。途中、映画で有名な下妻で8分停車。今度、街を見てみたい。
下館には1246着。跨線橋を通り、JRをはさんだ向こう側にある、真岡鉄道のホームをめざす。
変わった色のディーゼルカー。クロスシートとロングシートの車両が混在
真岡鉄道のホーム入り口には、「臨時出札所」があった。SL整理券だけで、乗車券は持っていなかったので、「往復乗車券はありますか?」といって、売ってもらう。
下館から終点の茂木までは片道1000円。大人3人と子供1人の往復なので、1000×3.5×2だから、7000円のはずである。ところが、窓口の若い駅員は、「8000円になります」という。「違うんじゃないの?」というと、計算機を取り出して、なにやら計算し、やっと非を認めた。私はあらかじめ、「いくらかかるか」を計算してあったから、間違いを指摘できたが、普通は駅員のいうとおりに払ってしまうだろう。
まったく今回は、駅員の低い能力に惑わされる。
構内に止まっていたディーゼル機関車
1202発の茂木行きは、2両編成の席がほとんど埋まるくらいの混雑だったが、私たちは4人でワンボックスを占めることができた。
今回の鉄道の旅は、下妻あたりで筑波山が見えたくらいで、沿線風景はおもしろくない。真岡鉄道も、「撮り鉄」の姿が沿線に見えるのがめずらしいくらいで、とりたてていうような景勝はない。こどもの日の前日なので、線路際の家にあったこいのぼりの近くに、撮り鉄がいたことが印象的だったかな。
さて、茂木が近づくにつれ、「帰りのSLで座れるかどうか」が心配になってきた。SL整理券には、「座れないことがあります」なんて無責任なことが書いてある。
で、1307に茂木に着くと、狭いホームにはすでに人があふれていた。一応、改札のおじさんに往きの乗車券を渡しながら、「2号車はどこに並べばいいか」と聞くと、ホームの表示を見ろという。
人であふれているホームに行き、ペンキで書かれている表示を見ると、一つの客車には扉が2ヵ所あるとわかった。そこで前方の扉に並んだが、どうも座れるかどうか微妙な位置であった。で、「私と長男」と「妻と長女」の2チームに分かれ、女性チームは後ろの扉の列に並んでもらった。
SLは後ろ向きで入線してきた。すると、座席は全席クロスシートではなく、ロングシートもあるとわかった。「クロスシートを占拠するのはむずかしそう」と思ったが、ロングシートに狙いを絞りきれないまま、扉が開いた。
すると、列に並んでいなかった人が割り込んできたりして、混乱が始まった。ホームが狭すぎて、見通しが悪いから、悪いことをしているのが目立たないのだ。
車内に入ると、すでにほとんどのボックスが埋まっていた。もう、選り好みできる感じではないので、4人がそれぞれ空いている席に座った。私と長女が通路側に向かい合わせにすわり、通路をはさんで反対側のボックスの通路側に長男が座り、3つぐらい離れたボックスに妻が1人で座った。わかりにくいと思うが、つまりバラバラで座ったということである。
私と長女が座ったボックスは、小学生の男の兄弟が窓際に座っていた。その弟のほうが、すごくイヤそうな、悪い目つきで私たちのことを見ていた。なにが気に入らないのかわからないが、気分はよくなかった。
長男が座った席は、隣に乳飲み子を抱っこしたおばあちゃん、その向かいにずっと本を読んでいた息子らしき人、その隣にずっと寝ていたおじいさん(お母さんの姿が見えなかった)がいた。誰も外を見ていない。何のために乗っているんだ!
下館を出ると、ワゴン販売がやってきた。地元のおばちゃんが、商品を雑然と並べ、売りに来たのだ。私は、缶ビールを1本、長女はプリッツを1箱購入。
このワゴン販売の特徴は、なかなかワゴンが動かないことである。一つのブロックにずっと止まっている。ボックスの人たちの買う気がないのが明らかでも、ずっと止まって待っているのだ。
私が、1人で離れた席に座っている妻にSL整理券を渡しにいったら、帰り道をワゴンでふさがれてしまった。「すぐ私に気がつくだろう」「すぐ動くだろう」と思っていたら、ずっと止まったままで、私に道を譲る気配がない。数分待ったのち、「すいませんが、どいてください」といって通ることができた。
SL整理券。大人500円
車内で車掌が配った「乗車証明書」。今回はC12だった。
ちょうどそのころ、新幹線パーサーの書いた『新幹線ガール』という本を読んだばかりだったので、車内販売のピンとキリを見たような気がした。
まあ、ここまで文句ばっかり書いてきて、読んでいる方々がイヤな気持ちになっていたとしたら、申しわけないと思う。でも、そんなことしか覚えていないのだ。
真岡鉄道は、せっかくSLを運転してくれているのに、ツメが甘いと思う。現状では、1回は乗りに行ったとしても、「また行きたい」とは思えない。そのうち、誰も行かなくなりますよ。
・全席指定(あるいは指定席をふやす)にする
・それができないなら、せめてホームを拡幅する
・客車を魅力的にする(現在はくたびれた客車である)
なんだか、疲れに行ったような気がした。
誠に遺憾に存じます。
下館駅で。逆光が惜しい
妻は、「SLの自由席には乗るもんじゃないね」と、やはり不満であった。「電車に乗ってばっかりだったけど、ちょっと降りて町を歩きたかった」と、まっとうな感想もいっていた。
帰りは、行きと同じ経路で帰った。どこで夕飯を食べて帰るかが話題となった。私は秋葉原で適当にすませようと思っていたが、長女が「ナイルに行きたい」と主張。ここまで鉄道の旅につきあわせて、SLも期待はずれだったので、長女のいうとおり、ナイルに行くことになった。
ナイルは相変わらずおいしく、満足して帰宅することができた。
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