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『最強伝説黒沢』と『結婚できない男』 [書評]

今週、長期連載のマンガが2本、最終回を迎えた。


一つは、ビックコミックスピリッツの最後のほうのページで、黙々と続いていた『日露戦争物語』である。最初のころは、秋山真之と正岡子規たちの交流を、ほのぼのと表現していたが、このごろは日露戦争の経過を、文字と汚い絵で綴っているだけであった。

すでにマンガと呼べるレベルではなく、「編集部には江川達也に鈴をつける人間がいないのか」、「ホリプロと編集部で連載の契約をしているから、途中でやめられないのか」などと憶測していたところだった。

遅すぎる決断だが、これ以上の連載継続はスピリッツにとってマイナスだし、資源の無駄づかいでもあったので、歓迎したいと思う。

一方、ビックコミックオリジナルで連載中だった『最強伝説黒沢』が、突然終了した。「うそだろ?」と思い、次号予告を確認したが、やはりもう出ていなかった。


最強伝説黒沢 9 (9)







黒沢は、44歳独身。やることなすこと「痛い」人間で、それが心に突き刺さることがあり(突き刺さらないこともある)、毎号、楽しみにしていた。アジフライといえば、黒沢を思い出す人も多いと思う。

人気も高かったと思うが、なんで突然、終わってしまったのだろうか。

このマンガの感覚は、いまフジテレビ系列で人気上昇中のドラマ、『結婚できない男』の阿部寛にも通じるものがある。ただ、阿部寛は仕事は順調、容姿も頭脳もいいという役柄だが、黒沢は仕事も容姿も頭脳も順調ではない。

最近のストーリー展開は、ホームレス達を集めて、暴走族と戦い、勝ちに導くというものであった。作者はその先、続けるのがつらくなってしまったのか。

これで、オリジナルには『玄人のひとりごと』くらいしか、読みたいマンガがなくなってしまった。『釣りバカ』も、『あぶさん』も、『風の大地』も、超マンネリでもダラダラ続いているのに。


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コメント 2

pine tree

『最強伝説黒沢』は不思議な魅力を感じるマンガでした。
ルナトラさんと感想を述べ合ったこともありましたっけ。
しかし、我が家ではしばらく前にビッグコミックオリジナルを(同時にビッグコミックも)読むのをやめました。理由はルナトラさんも書いていらっしゃるように、全体的にマンネリで面白くなくなったから。

『黒沢』どうなったかなあと、それだけは気にしていました。
「伝説」になるまでの構想が、作者にはあったのではないかと思いますけどね。行き詰まっちゃったんでしょうか・・・。ちょっと残念ですね。
by pine tree (2006-09-06 00:34) 

ルナトラ

実は、pine treeさんとの会話を思い出しながら、書きました。

最後は、それなりに感動的だったので、ぜひご一読を。こういう人生もありかなと。
by ルナトラ (2006-09-06 00:51) 

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